昨今、新卒入社の3割もの方が3年以内で退職しているという事実をご存知でしょうか。
副業やリモートワークという新しい働き方も増えてきている中で、転職をすることがポジティブに捉えられるケースが増えているのも事実です。
しかし、20代のうちに何度も転職してしまったり、ブランクが空いてしまったりすると転職の時に不利なのではないか。
しっかりとした退職理由があっても20代のうちに「4回、5回と転職している方は書類選考が通らない」という話をよく聞きます。
この記事では、20代の転職回数について調査した結果をもとに解説していきます。
是非最後まで読んで頂き、転職回数がどれほど転職活動に影響するかを知って頂きたいです。
これから転職活動を進める方は以下の記事を参考にしてください。
- 20代の転職回数の平均
- 男女別の志望理由
- 何回からが転職回数が多いとみなされるのか
- 転職回数が多いことをごまかせるの?
- 転職回数が多くても、採用されるためには
- 転職回数が特に問題なしとなる特例
- 転職は癖になる
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目次
20代の転職回数の平均
では、実際のところ20代の転職回数はどのくらいなのでしょうか?
大手人材企業のリクルート社調べ(2017年度)によると、20代の76%は転職経験がなく残りの24%は転職経験があるようです。
20代の約4人に1人が転職を経験しているという事になります。
さらに詳細を見てみると、転職回数が1回の人がほとんどで、2回以上の人はレアケースのようです。
※20代の転職回数
- 転職経験なし…76%
- 転職1回経験…16%
- 転職2回経験…6%
- 転職3回経験…2%
- 転職4~5回経験…1%未満
ちなみに、30代になってくると2人に1人は転職経験があり、転職回数が2~3回の人は4人に1人となってきます。
また、厚生労働省の2017年以前の調査では、30%近い人が20代で転職経験をしているという結果もあります。
いずれにせよ、20代で転職をすることは少なくないということが分かります。
男女で転職回数に違いはあるのか、男女別の転職理由も調査
平成26年度の厚生労働省の調査によると、20代の30%近くの人に転職経験があるのですが、男女別に見ると女性の方が転職経験者数は40%と高いです。
女性は結婚退社するケースもあり、転職ではなく退職を選ぶこともあるため、年代問わず全体的に見ると転職経験者は少ないようです。
一方男性は20代後半にかけて転職経験者が徐々に増える傾向がみられます。20代後半になると2回以上転職を経験している人は20%程になっています。
回数に男女差はそこまでないですが、転職を経験するタイミングは、ライフイベントによって大きく左右され男女差が出てくるようです。
また、転職理由についても男女別にご紹介します。
※男性の転職理由
1位 ほかにやりたい仕事がある
2位 会社の将来性が不安
3位 給与に不満
4位 残業が多い・休日が少ない
5位 専門技術を身に付けたい
※女性の転職理由
1位 ほかにやりたい仕事がある
2位 残業が多い・休日が少ない
3位 給与に不満
4位 会社の将来性が不安
5位 専門技術を身に付けたい
このように並べてみると、男女で転職理由に大差ないようです。
しかし推移を細かく見ていくと、男性の場合、2009年度では「会社の将来性が不安」がダントツの1位でしたが、2013年度あたりから「ほかにやりたい仕事がある」が急上昇しています。
一方、女性の場合は「会社の将来性が不安」はずっと3位あたりを推移しており「ほかにやりたい仕事がある」の項目だけ、常にずば抜けて高いです。
女性の方が、会社に左右されずにやりたいことをやりたい!と思う方が多いのでしょうか。
また、直近で男女ともにもっともポイントが上がった項目としては「給与に不満」でした。男女ともに賃金に対してシビアな意見を持つようになったことが分かりますね。
何回からが「転職回数が多すぎ」とみなされるのか
ここまで20代の転職回数の平均値や、転職理由をご紹介してきました。
次に転職回数が多いとみなされるのは何回なのか、その理由もあわせて調査してみました。
20代は転職回数が3回だと多い
理由:「1社に最低3年は勤めて欲しい」という価値観があるため
4年生の大学の場合、浪人などのケースを考慮しない場合は新卒入社で22歳です。最低3年ずつ2回の転職をすると28歳です。
そのため、20代で転職を3回以上するということは、1つの会社に対して就業期間が3年未満という事になります。
20歳ということは成人ですので、入社をしたという事は成人が自分の判断で選択したということになります。
自分で決めた判断がコロコロかわるようだと「忍耐力に問題があるのではないか」「考えが甘いのではないか」といった捉え方に繋がり、悪い印象が大きくなってしまう可能性があります。
3回どころか2回でも多い?
理由:「またすぐに辞めるのでは?」と思われてしまうため
先のリクルート社の調査にあった通り、全体の25~30%の方が20代で転職を経験しています。確かに転職経験者は少なくないですが、企業からすると7割ぐらいの方は転職をしていないので、2回でも多いと判断するケースもあります。
有名企業・人気企業となると、面接設定の前の書類選考である程度振るいにかけますが、転職回数2回というだけで書類選考NGとする企業がいるのも事実です。
結論、転職回数が多い人はどうすればよいのか?
20代の転職回数は多いほど不利に働くことが分かりました。では、既に2回以上転職している方はどうすればよいのか。
なかには、どうせ不利になってしまうのであれば、履歴書や職務経歴書に事実を記載せず、転職回数をごまかせばいいのではないか?と考える方もいるでしょう。
その気持ちはわかりますが、応募書類で転職回数をごまかす事だけは絶対にやめましょう。
仮に早期離職したキャリアを消して空白にした場合は、ブランクが長いという理由で転職回数以上に悪い評価に繋がる可能性があります。
また、2社目3社目の職歴を省いてし1社目の職歴期間を長くするような事をしてしまうと、面接での志望動機や退職理由の説明で必ず不自然な点が出てきてしまうものです。
面接する方たちもプロですですので、必ずばれてしまいます。
万が一、ばれてしまうと「不正をした」と罪を問われることもありますし、変にごまかさず正しい経歴を記載しましょう。
転職回数が多くても採用してもらうためのアドバイス
「20代での転職回数が多くなってしまった…転職回数をごまかして応募することもできない・・・」
では、どうすれば転職回数の多さがネックにならないのでしょうか?
いくつかの例を元にアドバイスします。
転職回数が多いことを逆にアピールしてしまう方法
経験社数が多いということをプラスにとらえると、次のようにアピールポイントにもなり得えます。
→様々な社風・環境を経験したので変化に耐えられる
→複数の考え方、仕事の進め方を学んだので、コミュニケーション力や多角的に物事を見る力を鍛えられた
→同業界で複数渡り歩いてきたため、競合他社の情報をもっている
→同職種で複数社経験したため、同じ職種でも様々な方法を習得している
このように、多種多様なものに対する適応力や情報量をアピールする方法があります。
その上で、御社に貢献していけるよう頑張り、御社に貢献してきたいという熱意を示しましょう。
退職理由が明確で筋が通っている
ただ、アピールできる点がないという方もいるでしょう。そういった方は今までの会社の退職理由を前向きで筋の通った内容にする必要があります。
→たしかに3年も就業期間がない場合は、落ち着かない印象を抱かれます。しかし、退職理由が明確に説明できれば問題ないそうです。
退職理由を1社1社全て聞いてくる面接官は多いです。
重要なポイントは、退職理由にネガティブ要素を含めない事です。
- 給料低かったので
- 残業が多かったので
- 人間関係が悪かったので
- 遠かったので
- つまらなかったので
こういった理由だと、「採用しても同じ理由で早く辞めてしまうかもしれない」といった評価に繋がってしまいます。
3か月や半年などの早期離職でも退職理由次第では
「想定外の業務をやらされた」「社内でパワハラにあった」など、短い期間で退職する場合には特別な理由があるはずです。
前向きな目的での転職理由をいえない方もいらっしゃいます。その場合は、嘘をつかずに「なぜ辞めたか」をしっかりと伝えましょう。
退職理由次第では、面接官が深掘りしてくるはずなので、質問に対して自分の考えなどをしっかりと伝える事で好印象に繋がる可能性も十分にあります。
転職エージェントを使う
転職エージェントが保有する求人には、「未経験OK」や「転職回数が多くてもOK」という求人が存在します。
自分で進めていて、書類が通過しなかったり面接対策に行き詰ったりした場合は是非転職エージェントを活用してください。
転職のプロに転職回数が多い事で転職がうまくいかない悩みを相談し、アドバイスを頂くだけでも転職成功率は上がるはずです。
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転職サイトにある「未経験OK」などの求人ですが、一人で情報を収集して対策を練るよりも転職エージェントにサポートして貰ったほうが成功率が上がります。
転職回数が多い場合は、なおさらです。
選考がNGになるとその企業には一定期間応募が出来なくなってしまいますので、一人で進めるよりエージェントに登録して同じ企業に応募できるかどうかを確認してみましょう。
エージェントが保有している案件であれば絶対にエージェント経由で進めた方が有利です。
転職回数が特に問題なしとなる特例
実は、20代の転職回数が3~4回と多くなってしまっても、問題なしとされるケースも存在します。
問題なしになるケースは以下の通りです。
※特例
- パワハラ・セクハラ・給与未払いや残業代計算をごまかすなどのブラック企業だった場合
- 両親の介護・事故などの家庭事情
- 倒産による会社都合の退職
- 明確な理由があるキャリアアップを目的に転職した場合
- 仕事ができるため、取引先に引き抜かれた・ヘッドハンティングされた場合
❶~❸、❺は分かりやすいかと思いますが、論点になるのは❹のケースでしょう。
❹の場合は、「前職の仕事を通して何を身に付け、どのような実績を出し」「次の目標はどのようなことで」「どういう理由で次の会社を選んでいるのか」という流れを意識しながら説明できるようにしましょう。
「やりたい仕事がなかった」「人があわなかった」「残業が多かった」と端的に伝えてしまうと、この人は嫌なことがあればすぐに辞めるなと思われてしまいます。
必ず、ネガティブな理由を伝える場合は、前向きな内容もセットにして伝えるようにしましょう。
転職は癖になる
本来、初めての転職に踏み切るときは勇気を振り絞って動いているはずです。
しかし、2回、3回と転職を繰り返すと転職することに慣れてしまい癖になっていく可能性が高いです。
20代で4回目、5回目の転職に踏み切る前に少し立ち止まって考えてみましょう。
すべてを他責にしていませんか?
辞めたい理由を話し出すと、「上司がわかってくれない」「同僚より給与が低い」などネガティブな理由が出てくるのは分かります。
しかし、上司にきちんと時間をかけて理解してもらえるように話しましたか?同僚と比較して、自分の方が仕事は出来ているという根拠はありますか?
書類選考が通らなくなる
20代で転職回数が4回目、5回目となると急に書類選考に通らなくなってきます。
面接さえたどり着かない場合、転職エージェントを頼りながら、企業をたくさん探さないといけません。
正直手間はかかるでしょう。
今の会社に残る方が給与や待遇が上がるかもしれない
今の悩みは一時的であり、あと半年もすれば評価制度が変わるかもしれません。
あなたの直属の上司が異動になり、あなたをもっと評価してくれる人が現れるかもしれません。
転職をすればすべて1からのスタートですので、今の会社に残った方がメリットが多い場合もありますよ。
まとめ|20代の転職回数は少ない方が良い
この記事では、20代の転職回数についてお伝えしてきました。
まとめると、以下の通りです。
- 20代は4人1人は転職経験がある
- 男女ともに志望理由は対して変わらない
- 20代は3回から転職回数が多いと見られる
- 2回であっても不利である
- 転職回数を誤魔化すのはNG
- 転職回数が特に問題なしとなる特例がある
- 転職は癖になる
あくまでも平均値は、20代で2~3回が限度となるので、それ以上転職を重ねる場合は慎重に進めるようにしてくださいね。
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